3月19日(木)2025年度ゼロエミッション研究会第6回勉強会を開催
ゼロエミッション研究会
あらゆる廃棄物を原材料などとして有効活用することにより、廃棄物を一切出さない資源循環型の社会システム=「ゼロエミッション」
当財団では、ゼロエミッションの実現に向けて、2017年より食品小売業・外食産業の店舗から発生する廃棄物(特に食品循環資源)の発生抑制・資源循環・適正処理の手法を学ぶ場として、「ゼロエミッション研究会」を開催しています。
第6回ゼロエミッション研究会
3月19日(木)に今年度6回目となるゼロエミッション研究会を開催しました。50社101名の方にZOOMとのハイブリット勉強会にご参加頂きました。「大人の食育」として、慶應義塾大学 SFC研究所 安岡 澄人氏にご講演いただきました。「情報共有」として、農林水産省 大臣官房 新事業・食品産業部 外食・食文化課 食品ロス・リサイクル対策室 室長 鈴木 学氏に、また、環境省 環境再生・資源循環局 資源循環課 地域資源循環企画官 金子浩明氏にご講演いただきました。その後、参加企業・環境省・農林水産省でディスカッションを行いました。
- 「大人の食育」資源循環と脱炭素の同時達成に向けて 慶應義塾大学 SFC研究所
安岡 澄人氏
大人の食の現状、大人の食の悪化の構造的要因、大人の食を変えるための基本戦略、大人の食育に社会としてどう取り組むか等をお話いただきました。
大人の食の現状として、若者は朝食欠食・必要な栄養の不足しており、20代の3人に1人は朝食欠食、それが20年ぐらい続いており、30~40代も朝食欠食が広がっている。20代から自分で食を選ぶようになると急激に悪くなる。また、中高年の米消費が著しく減少していて、果物も摂取減となっている。高齢者の孤食やたんぱく質やカルシウム不足が問題となっている。
大人の食の悪化の構造的要因として、食の経済性重視・節約志向の強まりが挙げられる。食品価格が上昇する中で、節約志向が強まり、食で経済性(安さ)を重視せざる得ない人が増加。バランスの良い食事を経済的に買うゆとりがない人が多い。効率を追求する社会の影響で、余裕のない忙しい日常や愉しむより手早く簡単に済ませたり、中食・外食はシームレス化し、調理の必要がなくなってきている。料理が面倒と感じる人も多い。家族構成の変化による影響が大きく、単身世帯により孤食が増加している。特に高齢者の単身世帯が増加し、高齢者の孤食は食品摂取の多様性が低く低栄養になり、メンタルヘルスとの関連が知られている。都市化や効率化の中での食文化の変容があり、都市化が進む中で、食の大量生産が進行し、美味しくて安いものがどこでも食べられる。小ロットの多様な地域の食が衰退している。食が国際化し、和食が変わってきた。味覚や味付けの変化や激辛や肉質や脂質へシフトされている。都市化で農業や食品製造の現場の厳しさを知らない消費者が増えている。普通の都市の大人は農業を体験することがなく、国産志向が低下している。経済的に厳しく意識の低い日常の食と経済的に豊かな意識の高い非日常の食の二極化してきている。一人の中でも日常と非日常が存在する。食生活の改善意識は低く、認識していても行動にはつながっていない。野菜や果物摂取やバランスのよい食事と健康との関係は説得力ある発言が少ない。健康志向も健康食品やサプリメントに向かい、「健全な食生活」は響いていない。食事は人生の幸福度やウェルビーイングに影響する重要な要素。料理の楽しさや共食による人のつながりが幸福度・心の豊かさに強く影響している。
大人の食を変えるための基本戦略として、「健康」や「栄養」だけではなかなか動かない、食の「愉しさ」を動機付け、継続的な行動変容につなげることが大事。食から生まれるいろんな「愉しさ」にもっと気づくことで人を動かす。動機・能力・機会を整えて行動変容する。行動変容の鍵は年代で違うので、それぞれで行動変容の鍵を握って行うといい。
8つの大人の食の愉しみ方として、・日々の食をもっと愉しむ(副菜を増やすなど)、・自炊を愉しむ(食生活を向上させる自己防衛技術)、・日々の食での生活を愉しくする(QOLを上げる)、・誰かと一緒に食を愉しむ、・職場で食を愉しむ、・農とのつながりを愉しむ、・地域の豊かな職を愉しむ、・職を大人の教養として愉しむ、・食を大事にする生き方をするなどのお話をしていただきました。

- 「話題提供」 農林水産省 外食・食文化課 食品ロス・リサイクル対策室
室長 鈴木 学氏
再生利用等実施率の目標、食品ロスを含めた値が伸びてきている。外食産業は食品ロス削減はうまくいっているが、リサイクルの部分があまり進んでいなく、目標から離れてる。リサイクルをするに当たって発生抑制はするが、今現状、飼料化・肥料化が全体の八割。国策としても資源の有効活用という観点から優先度は高い。エコフィードも飼料化として重要な政策となっているが国産は三割ほど。循環経済(サーキュラーエコノミー)を国家戦略と位置付けた。食ロス削減や資源の有効活用を進めていくことが位置付けられている。リサイクループの申請から登録までが長い、また地域によって求められる事が違っているため、課題に対応できるように調整中である。「菌体りん酸肥料」を進めたい。年4回以上の分析の実施が義務づけられているので、保障がある。普通肥料として登録できるため、他の肥料と合わせて使える。消化肥料は農業者にとって使いにくかったが、保障されたり、名称変更によってニーズが出てきた。新しい技術と制度となる。などの話題提供をいただきました。

- 「話題提供」 環境省 環境再生・資源循環局 資源循環課 地域資源循環企画官
金子 浩明氏
環境経済(サーキュラーエコノミー)をめぐる世界・日本の状況として、ヨーロッパなどは配電子機器・自動車や容器包装など循環性を意識したデザインにするなどルールが先行している。再生資源をどう使っていくかの競争が始まっている。日本の状況を見ると、お金を払って海外から資源を持ってきて、国内でリサイクルはしているが、輸出している。二次資源の囲い込みがあるなかで、政府が行動計画をまとめている。地域循環資源の徹底活用をし、地域での取組をサプライチェーンの中でどう進めていくか成長戦略に入れ込んでいく。環境省の具体的な取組事例として、飲食店での食べ残しを持ち帰りするmoeeECOや消費者のフードドライブ、食品廃棄ゼロエリア、地域への支援を行っている。
一般廃棄物処理業務においても自治体から委託された処理業への費用の見直しを行った。自治体で分別などをした際に、交付金で後押ししている。自治体や関連事業者の取組の支援として補助金を設けているなどの話題提供をいただきました。

その後、百瀬業務執行理事の司会で参加の皆様と農林水産省・環境省とディスカッションをしました。
・地域循環資源の排出者のコスト問題について
・家庭ごみのリサイクルについて
・補助金活用について
参加の多様な事業者(食品関連事業者、収集運搬業者、リサイクラーなど)へ投げかけ、様々な立場からの意見交換を行った。

参加企業からの声
「本研究会で食育について語られることが少なかったので貴重な情報となりました。」「非常にわかりやすい内容でよかったと思います。非常に興味深く拝聴させていただきましたので、別の機会があれば、詳しい話をきかせてほしいと感じました。」「非常にわかりやすい内容でよかったと思います。非常に興味深く拝聴させていただきましたので、別の機会があれば、詳しい話をきかせてほしいと感じました。」「過去の経緯から直近状況までわかり易く整理いただき勉強になりました。」「国としては必要性は感じながらも、国が主導して具体的なアクションまでには至らなそうに感じました。」などのご意見をいただきました。
- 2026年度 ゼロエミッション研究会
2026年度のゼロエミッション研究会は、5月28日(木)を予定しております。
ご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
ご参加の程お待ちしております。
- 2026年5月27日
- カテゴリー: イベント・ボランティア報告, 事業活動報告, 資源循環事業
- タグ: セミナー








