7月23日(木)2026年度ゼロエミッション研究会第2回勉強会を開催
ゼロエミッション研究会
あらゆる廃棄物を原材料などとして有効活用することにより、廃棄物を一切出さない資源循環型の社会システム=「ゼロエミッション」
当財団では、ゼロエミッションの実現に向けて、2017年より食品小売業・外食産業の店舗から発生する廃棄物(特に食品循環資源)の発生抑制・資源循環・適正処理の手法を学ぶ場として、「ゼロエミッション研究会」を開催しています。
第2回ゼロエミッション研究会
7月23日(木)に今年度2回目となるゼロエミッション研究会を開催しました。39社75名の方にZOOMとのハイブリット勉強会にご参加頂きました。「令和6年度再生利用等実施率 について」として農林水産省外食食文化課課長補佐の速見基弘氏に、「食品ロス削減から食品寄贈促進へ:課題と展望」について、専修大学教授/SFA理事の渡辺達朗氏に、「食品ロス削減×食の福祉「もったいない」を「ありがとう」に変えて」について、株式会社オズマピーアールの国友千鶴氏にご講演いただきました。
- 「令和6年度再生利用等実施率 について」 農林水産省 外食食文化課 課長補佐 速見 基弘氏
事業系(食品製造業・卸売業・小売業・外食産業を含めた食品関連事業者由来)の食品廃棄物等と食品ロスの発生量について、事業系食品廃棄物等は1,463万トン(有機物や不可食部分も含む)うち事業系食品ロス237万トン(本来食べられるのに捨てられている食品)がおおよそ15%ぐらいとなる。食品製造業は製造に伴って出る副産物が多いため、食品廃棄物の量は多いが、食品ロスは少ない。逆に外食産業は廃棄物の量に比べて食品ロスが多い。家庭系廃棄物は642万トンうち食品ロスは224万トンとなる。2023年度と比べて6万トン増えており、特に外食産業が4万トン増えている。客数はコロナ過と同水準だが、食品ロスの量は103万トンから70万トンへ減っている。また、再生利用等実施率に関する目標は全ての業種で改善している。食品産業における食品リサイクルの現状として、外食産業の再生利用が改善しており、再生利用の全体としては101.4%だが、飼料化が109.6&、肥料化が107.1%と優先順位の高い飼料化、肥料化に取り組んだ結果が出ている。
食品リサイクル法に基づいて登録制度があり、一般廃棄物の収集運搬における荷下ろし許可が不要になる特例が法律に基づいて設置されている。食品リサイクルループは荷下ろしだけでなく荷積みも特例で許可が不要になる。食品リサイクルに対する支援として、リサイクルループを通じて生産される食品に付加価値がついて高く取引される連携している皆さんに還元されていくのが非常に重要。モデル的に取り組んでいる所については、補正予算で支援措置を行っている。未利用食品の供給体制構築緊急支援として食品事業者、フードバンクや子ども食堂等、必要しているものと供給がマッチングしないなど難しいため補助事業のなかで支援している。
食料農業農村基本計画における肥料に関する目標について、化学肥料を減らしていく、使用している化学肥料のうち国内の肥料資源由来のものを25%から40%へ引き上げる。肥料に関連する事業者に連携を強化する施策も講じている。基本計画における飼料自給率の現状と目標について、2023年度は27%の飼料自給率を2030年度に28%にする目標を掲げている。食品リサイクルで生産される濃厚飼料の国産割合が13%、その中でエコフィードが12%となっている。飼料についても国内由来の物を使用を増やすため、専門家による指導や検討会の開催など飼料資源利用拡大に向けて支援をしているなどのお話をしていただきました。

- 「食品ロス削減から食品寄贈促進へ:課題と展望」 専修大学教授/SFA理事 渡辺 達朗氏
食品ロスや食品寄贈の問題で前提になるのはSDGs12番目の目標を2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たり食料の破棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少されることを目標としている。日本における食品ロス量と削減目標として事業系と家庭系の食品ロスが定められた。2030年までに半減することを目標に掲げたが、事業系は2024年に半減目標達成。2025年に削減目標を60%減の219万tに引き上げた。家庭系は目標未達成のため、さらに8万t減が必要。食品ロス削減のための対策として、3R(・発生抑制(reduce):廃棄を減らす。・有効活用(reuse/repurposed/remake):未利用食品、余剰食品のフードバンク等への寄贈、フードシェアリングサービス。・再生利用/再資源化(recycle):飼料化・肥料化・バイオマス発電などを行う。
直線接経済(リニアエコノミー)大量生産・大量流通・大量消費・大量廃棄していた時代から循環経済(サーキュラーエコノミー)3Rで廃棄削減していく社会経済が求められている。循環に入る前の段階の設計が大事である。
事業系食品ロスのホットスポットとして食品製造業では製造工程がもっと多く、再利用・再資源化が進んでいる。輸配送、卸売工程は少ない。食品卸売業では輸配送、卸売工程の返品・不良品、納期品期限切れが多い。食品小売業では、売れ残り、販売期限切れが多い。外食産業では食べ残しが最も多い、次いで売れ残り、作り置き、誤発注が多い。量が少ないだけでなく、減らしにくさに注目して考える必要がある。
事業系食品ロスのホットスポットへの対応と課題について、・官民の取組により食品ロス発生量は減少傾向、・サプライチェーンにおいて食品ロス削減対策が進んでいる商品カテゴリーとして賞味期限の比較的長い加工食品、飲料、菓子などにおける取組、・食品ロス対策に課題がある食品カテゴリーとして賞味期限が比較的短い加工食品等、日配品、総菜類等の消費期限商品、生鮮食品など、販売期限ぎりぎりまで販売し、まだ食べられる状態で廃棄されるなど。外食産業における課題としては、キッチンでの対応として端材などの再利用、食品リサイクルや店頭での対応として調理ミス、誤発注、提供遅れの削減や提供前の物は冷凍・冷蔵による期限延長や提供後の食べ残しの持ち帰りなど。
食品ロス削減から食品寄贈促進として、環境・経済・福祉の交差領域の課題がある。環境、経済のための食品ロス削減と、福祉のための食品寄贈との意識・行動の相違に注意が必要。輸送・保管等の費用負担や寄贈側の企業価値向上とレピュテーションリスク、受贈側のトレーサビリティ確保・品質管理や衛生管理能力の向上、政策として食品廃棄規則・優遇税制・免責のバランスの方向付けなどがある。政策基調として善意への免責制度の導入は見送られた。食品寄附の主な対象は賞味期限が比較的長い常温の加工食品としている。食品寄附ガイドラインが策定され、食品寄附の信頼向上、管理責任を果たすことができる食品寄附関係者を育成すること、トレーサビリティと品質・衛生管理、寄贈側のレピュテーションリスクへの対応や受贈側での横流し防止などとしている。フードバンク認証制度を作り、食品寄附ガイドラインにそって安心・安全に提供できる審査基準が設けられた。課題は賞味期限が比較的短い加工食品・日配品・総菜など多くが冷蔵品のため温度管理が必要、かつ期限内に消費することが難しいなど。
フードバンク認証制度について、大規模なフードバンク団体の認証が先行され、中堅・中小規模のフードバンクが取り残されることが懸念点となっている。制度が始まったばかりでで課題が多い。
フードバンク団体の状況について、「食品寄附ガイドライン」に規定される商品情報で現在記録できていない項目で、特にアレルゲンが多かった。
食品を寄附することが企業価値向上につながることが理解されれば、廃棄するよりも寄附する方が法的、経済的にメリットがある。GHG温室効果ガスの削減と似ている。受贈側も
栄養バランスや健康状態への回復向上につながるなどについてお話いただきました。

- 「食品ロス削減×食の福祉「もったいない」を「ありがとう」に変えて」 株式会社オズマピーアール 国友 千鶴氏
相対的貧困率は15%、子どもの貧困率は11%、おおよそ8~9人に1人の子供が相当している。大田区は思ったより貧困家庭が多い。
子ども食堂は1万2,602カ所あり、全国の小学校区の4割ほどとなる。昔と比べ貧困家庭ばかりではなく、多様性となり居場所代わりに使われている場所もある。親子で利用する方も多く、参加が増えている。自治体や社会福祉協議会、フードバンクに寄贈される場合が多く、増えてきている。
コロナ過では未利用食品・寄贈は多かったが、コロナ明けた後は劇的に減っている。
企業が余剰食品を寄贈する場合、法的責任、人的労力コスト、レピュテーションリスク、税制措置など課題が多く二の足を踏む。
食品をただ寄贈するだけではなく、体験型のプログラムにして提供機会をつくり、信頼関係を得て、スムーズに寄贈できるよう推進している。
自治体や社会福祉協議会、フードバンクに寄贈される際に、最後のワンステップをする担い手がいなく、就労継続支援事業をやっている社会福祉法人で簡単な仕分けやお届をし、地域で協力しあう仕組みが出来上がり、フードバンク推進協議会も立ち上がった。
寄贈品として加工食品、野菜・果物、乾パンや缶詰、レトルトは進んでいるが、冷蔵・冷凍の商品がこれから進んでほしいところである
未利用魚の寄贈実証も行ったが、食品寄附のガイドラインができたこと、フードバンクの認証制度が厳しく、アレルゲンや温度管理が難しい。今回上手くいったので、共通プラットフォームを作り、寄贈する方・中間支援の方・受け取る方が管理できるようにしたなどのお話をいただきました。

参加企業からの声
「リサイクルループは魅力的な取り組みですが、価格の面で消費者にはなかなか手に取ってもらえないという課題を感じました。」「外食産業・家庭系の食品廃棄物のリサイクル率をどう上げていくか、リサイクルの価値向上とループ形成についてがカギということを学ぶことができました。」「サプライチェーン上でのロス発生のポイントと抑えるポイントの説明がわかりやすかったです。」「寄付やリサイクルよりも廃棄が一番コストが安いという課題を知ることができました。品質・衛生面のトレーサビリティーの基準が厳しすぎるということが本来フードバンクへ寄付できる枠を難しくしていることも学ぶことができました。」「処理業者にも処理のキャパシティーには限りがあるので、依頼を受けた際は別の提案をできることも重要なことだと感じました。」「弊社でも生鮮品への壁を強く感じており、法整備のような強固なものの力添えを今後は行政に期待したい。」などとご意見をいただきました。
- 2026年度 ゼロエミッション研究会
2026年度のゼロエミッション研究会は、9月17日(木)を予定しております。
ご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
ご参加の程お待ちしております。
- 2026年8月14日
- カテゴリー: イベント・ボランティア報告, 事業活動報告, 資源循環事業
- タグ: セミナー








