10月16日(木)2025年度森林アカデミー第4回勉強会を開催
森林アカデミー
持続可能な循環型社会をめざし、企業が森林活動を通して果たす生物多様性・脱炭素への貢献を実践的に学ぶための勉強会として「森林アカデミー」を2024年度より開催しています。
1つの地域で企業が取り組む森林再生と生物多様性の保全を体系的に学び、今後企業に開示が求められるTNFDへの対応や企業の森、自然共生サイト申請を行うことを実現して参ります。
第4回森林アカデミー
10月16日(木)に今年度4回目となる森林アカデミーを開催しました。29社50名の方にZOOMとのハイブリット勉強会にご参加頂きました。第4回はSEF理事/株式会社ウェイストボックスの代表取締役、鈴木修一郎氏に「クレジット市場の動向と森林クレジットの活用」と題してご講演いただき、公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)の自然保護室長、山岸尚之氏に「ネイチャーポジティブに向けて」についてご講演いただきました。
- 「クレジット市場の動向と森林クレジットの活用」
株式会社ウェイストボックス
代表取締役 鈴木修一郎氏
クレジットについて、排出枠とクレジットの関係性についても説明いただきました。クレジットは複雑になっており、排出枠、クレジット、属性証明(非化石証書)がある。排出枠とはキャップ&トレードETS(日本ではGX-ETSがある)排出量の取引、取引しくみと呼ばれるもので、キャップとは目標よりも少ない場合は排出枠があまるので他の方に売ることができる、排出枠が多い場合は他から買わなければならない。枠が足りない場合は政府のほうから枠を出す、排出権取引になる。枠の売買を意味する。これとは別にこれを保管するかたちでベースラインクレジットがある。京都議定書ではCDM(クリーン開発メカニズム)では画期的であった。ベースライン排出量と呼ばれる架空の排出量として、差分をクレジットと認める制度もある。Jクレジット制度ともいう。連携する部分があり、枠の代わりにクレジットが認められる、規制がかかっていないものを使える。京都メカニズム(京都議定書)の中にある。先進国の排出量を抑える。気候変動に対する罪には決められた目標に抑えられなければ他の先進国から枠を買うと決められていた。CDM(クリーン開発メカニズム)として途上国で生活向上のために使用し、先進国への枠の代わりに使うことを認められた。途上国に先進国が資金や技術を提供することにより、途上国が資金や技術のおかげで排出量が減ることをクレジットとした。クレジットとは排出量とは違い、寄付的要素が強い。クレジットは排出量と思想が違う。再生エネルギーはクレジットや排出量とも違う。
カーボン・オフセットの概要と意義、取り組み方法と手順についてわかりやすくお話いただきました。SBT Net-Zeroはパリ協定の企業版。BVCMと中立化がある。現在はBVCM。クレジットの使用は最終手段。真水の削減には必ずしも繋がらない。回避量に当たるため程度の差がある。Scope3(バリューチェーン)、収益を得るために行った気候変動への影響。
カーボンオフセットへのアプローチは地球への影響を把握し減らす努力をする。直接減らせるような活動に賛同する。排出したCO2を保護活動などで減らしていく。カーボン・オフセットの取り組み方として①商品・サービス型(ノベルティカレンダーの製造に伴うCO2排出量をカーボンオフセットなど)、②会議・イベント型(ホテルの宿泊に伴うCO2排出量をカーボンオフセットなど)、③自己活動(工場の施設移動に伴うCO2排出量をカーボンオフセットなど)、④クレジット付(消費者の日常)、⑤寄付型などがある。排出量の把握が難しいが、計算の幅があるので、簡易的な計算をしていくなどする。クレジットも無効化・焼却をもってカーボンオフセットしていると言える。会計上は無効化前は資産となる。
カーボン・クレジットの概要、カーボン・クレジットの活用方法として、Jクレジットの活用方法、カーボン・オフセットの事例についてもお話しいただきました。クレジットの種類にはCER・Jクレジット・VCSがある。排出回避と固定吸収があり、それぞれ自然ベースと技術ベースがある。排出回避型とは中小企業や途上国など排出して気候変動に影響を与えていなかったところに、装置などを導入し排出を回避した場合となる。固定吸収型とは植樹など大気中のCO2を吸収させたるなどの場合となる。Jクレジットの国内の単価が2024年11月から高騰している。活用方法によっては、使用できるJクレジットの種類が限られているため注意が必要。活用方法について具体的な会社名や取り組みの事例を上げて説明いただきました。

- 「ネイチャーポジティブに向けて」
公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)
自然保護室長、山岸尚之氏
世界の生物多様性は危機的な減少を示しており、その傾向を反転させ、回復に向かわせるのが「ネイチャーポジティブ」目標であり、そのお話を昆明・モントリオール生物多様性枠組みを交えてお話をしていただきました。また、日本でも取り組みは進んでいるが、日本での消費に起因する影響は海外にも及ぶこと、企業のサプライチェーン/バリューチェーン全体を巻き込んだ取り組みが必要になるとのこと。TNFDについては、まずは情報開示を求める流れとなっており、気候変動対策分野で作られた流れをなぞっている部分もあるとのお話をしていただきました。

参加企業からの声
「クレジットの活用方法視点でお聞きし、新たな気づきがあり、社内での活用方法模索の指示を出しました。」「分かっているようで曖昧であったJクレジット周りの知識を体系立ってご説明頂け、非常に理解が進みました。今後の脱炭素戦略に活かしたいと思います。」「ネイチャーポジティブという言葉については、何となく意味を知っている程度でしたが、その概念が生まれた背景やそれに向けた取組、推し進めている方々がどのような考えを持っているかといったところを学ぶことができました。」「自然保護と自然エネルギーがどう共存できるか(すべきか)について、改めて考える良い機会になりました。」と参加者からは大変勉強になったとの感想をいただきました。
- 2025年度 森林アカデミー
次回は2025年12月を予定しております。
ご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
ご参加の程お待ちしております。
- 2025年11月28日
- カテゴリー: イベント・ボランティア報告, 事業活動報告, 森林再生事業
- タグ: セミナー








