8月28日(木)2024年度森林アカデミー第3回勉強会を開催

森林アカデミー

持続可能な循環型社会をめざし、企業が森林活動を通して果たす生物多様性・脱炭素への貢献を実践的に学ぶための勉強会として「森林アカデミー」を2024年度から新たに発足いたしました。1つの地域で企業が取り組む森林再生と生物多様性の保全を体系的に学び、今後企業に開示が求められるTNFDへの対応や企業の森、自然共生サイト申請を行うことを実現して参ります。

 

第3回森林アカデミー

8月28日(木)に今年度3回目となる森林アカデミーを開催いたしました。16社30名の方にZOOMでの勉強会にご参加頂きました。第3回は森林と生物多様性のかかわりを香坂玲先生にご講義いただき、それが今後企業に求められるネイチャーポジティブ経営にどうかかわり、重要性があるのかを藤田香様にご講義いただきました。

 

「生物文化多様性と森林:国連の条約から非木材林産物まで」                 
SEF理事/東京大学大学院
教授 香坂玲氏

森林を支えるのは、様々な生物が係る物質循環であること、また、ある物質の循環は他の物質の循環と関わり合いながら進んでいること。健全な森林の源は健全な物質循環は。大量のCO2を吸収し、適切な水循環を保ち、環境を安定させ、災害の防止に繋がる。森林からの恵みを最適・持続的に受け続けるために、どう植えるか?どう育てて管理するか?どのように育っているか?など調べなければならないこと。森林からの恵みを最適・持続的に受け続けるために、どう収穫するか?どう働くか?森をどう守るか、どう守ってきたか?どう市民の助けを得るか?など考えなければいけないなど森林と生物多様性のかかわりについてご講演いただきました。

 

 

「生物文化多様性と森林:国連の条約から非木材林産物まで」                 
日経ESG/東北大学大学院
教授 藤田香氏

生物多様性とは、多種多様な種がつながりあって、食物連鎖や共生関係など様々な関係を築き、バラスを保ちながら生態系のネットワークを作っている状態。ネイチャーポジティブとは生物多様性の損失を止めてプラスに転じること。ネイチャーポジティブの取り組み方として、①サプライチェーンを通じた自然リスク管理と低減、②増やして育てて価値にする、③自然のデータ収集とビッグデータ管理、④投資家との対話、消費者教育。①の例としてネイチャーポジティブ経営が一因でPBR改善、株価が上昇した会社の例。②の例として増やし育てて価値にする(価値の見える化が重要)、30by30に貢献する活動、海でネイチャーポジティブ(海藻や藻場を造成・再生し、CO2を吸収(ブルーカーボン)増加)。③の例として、住宅の庭に在来種を植樹し、都市の中の緑のネットワークを作る、顧客のネイチャーポジティブに貢献、汚染防止や気候変動にも寄与する。④の例として、森林活動は投資家も大きな関心を持っている。企業向上と地域価値の向上も合わせて重要についてご講演いただきました。

 

10月の陸前高田の森実地研修についてスケジュール、企業の森やクレジットの対象地について説明をしました。

 

参加企業からの声

「ネイチャーポジティプについて掘り下げた解説、大変ためになりました。」「貴重なお話ありがとうございました。ネイチャーポジティブについて、測定可能なものにしていくというお話が大変興味深かったです。森林再生について介入の効果などが分かる指標があれば、我々も取り組んだ際に情報開示ならびに役員への理解を得やすいと思いました。何らかの数値改善や費用削減効果を目に見えて示すことが出来れば従業員へもお伝えし活動に興味を持ってもらえると思います。まずはどのような森づくりをしていくか、ゴールを考えてそのゴール達成の道筋をたてなければいけないと再認識しました。」と参加者からは大変勉強になったとの感想をいただきました。

 

2024年度 森林アカデミー                                                   

次回の森林アカデミーは、2024年10月を予定しております。

10月は陸前高田の森に実地研修です。

ご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

来年度からのご参加もお待ちしております。

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