フォーラム2013を開催!!

2月26日午後1時半から、四ツ谷駅前のプラザエフ内クラルテを会場に、『食リサロン・フォーラム2013』を開催致しました。

 

主婦連合会、中央畜産会のご協力を得て、昨年2月から、一年間にわたって開催して来ました食リサロン(通称、“四谷カフェ”)では食品リサイクルを色々な角度から勉強してきましたが、丁度一周年を迎えますので、それを記念し、本年度の勉強の総まとめをし、併せて、来年度の勉強会の方向付けをするという狙いで、今回、農林水産省のご後援も戴いて、このフォーラムを企画致しました。

 

とはいうものの、一人でも多くの方々に、食品リサイクルへの関心を持って戴く、或いは更に関心を高めて戴くことも考え、より広い層の消費者の方々にもお声掛けを致しました結果、極寒の中にも拘わらず、60人を超す熱心な参加者で会場は80%程度埋めることができました。

 

フォーラムの最初は、農林水産省食料産業局食品産業環境対策室の長野室長(代理講演:岡輪則行係長)の基調講演です。食品リサイクル法の検討の時期を迎えていること、食品事業者の業種別に設定されたリサイクル実施率は食品製造業を除いて目標値には程遠く、それも川下に行くほど数値が悪いこと、飼料化を主要な手段とし、これに肥料化やメタン化を組合せてリサイクル率を上げて行くことを基本施策としていること、その場合でも、事業系一般廃棄物に関する自治体の処理料金と民間業者の処理料金の価格差が多くのリサイクル現場でネックになっていること、それを考慮すれば、リサイクル率を上げる前に、食品廃棄物の30~45%を占めている可食部分の食品廃棄物(食品ロス)の排出を減らすことが効果ある対策でること、世界的に見ても人口増加や相次ぐ気候変動で世界の農産物価格も右肩上がりなことから、国連の各機関やOECD、EC、EPなどヨーロッパの諸機関では本格的に食品廃棄を避ける取組を始めつつあること、これらに鑑み、食料自給率39%・穀物自給率27%と極めて生存競争力のない日本では食品ロスを減らすことが急務なこと、それには消費者の食品ロスに対する理解を深めることやフードチェーン全体での取組みを進めることが必要であることなど、食品廃棄物への対応における現在から近未来にかけての動向について示唆に富んだお話が約30分にわたってありました。

 

次いで、東京農業大学名誉教授、東京情報大学学長の牛久保明邦先生から特別講演『食品廃棄物の発生抑制とリサイクル』と題した特別講演があり、食品ロスとは本来食べられるにもかかわらず廃棄されているもので、加工品、日配品、生鮮食品に拘わらず、川上から川下まで食品産業のどの段階でも発生するものであること、食用に向けられる年間の農林水産物 8,672万トンの 5%~10%が食品ロスとなっていること、家庭における食品ロスは年間一人当たり 15kg、率としては 3.7%であること、世帯構成別では単身世帯での食べ残しが 4.8%と高いこと、食品別では果物 8.9%と野菜類 8.7%が高い食品ロス率であり、その主な理由は 過剰除去であること、年齢階層別では 50才を超えて高齢になるほど過剰除去により食品ロス率が高くなること、など一般的に我々が持っているイメージとは違った興味深い統計結果が出ていること、外食では結婚式場 13.7%・宴会 10.7%・旅館等宿泊施設 14.8%などで極めて高い食品ロス率であること、平成7年までは製造年月日であった食品の期限表示が消費期限・賞味期限に変えられたが、賞味期限は理化学試験や微生物試験を経て数値化された期間の 6~7掛けの数字となっており、かなり安全サイドの数値となっていること、従って賞味期限が過ぎてもすぐ廃棄しないで消費に努めるべきこと、賞味期限越えをおこさないような冷蔵庫管理や調理、献立での工夫(お好み焼き的整理など)がなされるべきこと、食品産業においての食品ロスは定番カット食品、欠品防止による保有食品のうち販売期限切れを迎えてしまった返品、過剰在庫から販売できなくなった食品など多くは商習慣に起因するものであり、昨年4月から食品ロスを抑制する為に製造業12業種・食品卸売業2業種・食品小売業2業種、計16業種で発生抑制目標(基準原単位)を導入し抑制の取組を開始したこと、また、食品流通業界での『3分の1ルール』を見直すために商習慣検討ワーキングチームがその作業に入ったこと、食品販売ではディスカウントストアなどでの特価販売やフードバンク活動への寄付、外食などでの食べ残しにはドギーバッグの積極的な活用など、日本人由来の“もったいない精神”を発揮することの大切さを説かれました。最後に、日経新聞の記事による中国での食品ロスに言及され、金額にして年間3兆円にもなる食品ロスは同国の年間国防費の3分の1にもなることから、同国も本腰を入れてその削減に取組むことにしたようだとの報告で、約40分にわたる、ウイットに富んだ楽しいお話を締めくくられました。

 

その後、約10分のコーヒータイムを挟んで、午後3時15分から牛久保先生をコーディネーターに5名のパネリストが壇上に登り、食品リサイクルについての現状と問題点を話し合いました。

 

パネリストは、循環型農業を手掛ける和郷園(千葉県香取市)顧問の阿部邦夫氏、食品リサイクルループに参画し早くから欧州型の養豚を導入し、エコフィードによる養豚業にもいち早く取組んだ、あずみ野エコファーム社長の川上康治氏、食品流通で発生する食品廃棄物を如何に出さないかで苦労されてきた(株)日本アクセス執行役員の北山 誠氏、食品リサイクルループを多数構築し、地産地消と安全、安心な農蓄産物の販売を手掛ける大型スーパー、ユニー(株)環境社会貢献部長の百瀬則子氏、関東地区で数少ない大型の食品廃棄物の飼料化施設を運営し、できた飼料で育った豚の肉(エコフィード認証畜産物)を系列の食品スーパーで販売している小田急フードエコロジーセンター顧問の髙橋巧一氏の5名です。

 

牛久保先生の先導に従い、各パネリストからそれぞれの取組の現場での苦労話を開陳して戴き、それらに基づいて多角的な角度から食品リサイクルの各場面における現在の問題点を洗い出し、さらにそれらを深堀りしました。会場からの2,3の質疑も消化しながら、5時少し前までパネルデスカッションは熱心に続けられました。

 

参加者にとって必ずしも自分に身近な問題提起になったかどうかという点は別として、食品リサイクルに今後関与して行く上では得るところの大きかった内容ではなかったかと思います。その証左に、予定より20分もオーバーし、聊か長時間にわたったフォーラムとなりましたが、最後には、コーディネーターならびに5人のパネリストに対する割れんばかりの拍手で会場が包まれました。

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