廃棄物管理「真の課題対策セミナー」を開催

去る3月14日(月)午後1時半から、市ヶ谷駅前の「TKP市ヶ谷カンファレンスセンター」にて、『廃棄物管理 真の課題対策セミナー』を開催致しました。

年初に発覚した食品廃棄物転売事案を受け、改めて廃棄物管理に関するあらゆるリスクを整理し、対策を講じることがますます重要となっています。そこで、講師には廃棄物管理コンサルタントとしてこれまで数々の実績をあげられている株式会社ガイアドリームの志岐秀明社長と、当財団の理事としても活躍されている同社の恩田健次取締役、そして環境問題や企業法務がご専門の佐藤泉弁護士を迎え、廃棄物管理の真の課題と対策を考えるセミナーを企画いたしました。

当日は雨風共に強く肌寒いあいにくの天候となりましたが、食品関連事業者の環境・総務部門等のご担当者を中心に多くのご参加を頂き、会場は満席となりました。

 

当財団事務局長福井からの開会挨拶の後、まずは株式会社ガイアドリームの志岐秀明社長より、「廃棄物処理の本質を探る」「環境省の再発防止策(案)と廃棄物管理の変化予測」と題して講演を頂きました。

今春の食品廃棄物転売事案を振り返った中で、当該業者が食品リサイクルの登録再生利用事業者であったことに着目し、食品リサイクルの取組みに潜む不安事項が整理されたほか、3大不法投棄事件に代表される廃棄物処理の諸問題を例示し、環境省が示した再発防止案を受けての今後の廃棄物管理の変化について、遵法管理やリサイクル推進、コスト負担増など、これまで以上に排出者に求められる責任が強化されるであろうという予測が示されました。

講演の中で、廃棄物を管理する上では収集運搬業者、中間処理業者、そして最終処分業者をどう選定するかが重要となるが、排出者が自ら中間処理・最終処分業者を選定するケースはまれで、ほとんどは直接の窓口となる収集業者、または管理会社に一任しているという現状を挙げ、今回の事案を機に、管理会社や業者任せにせず、自社の処理フローや委託状況をチェックするべきであると結ばれました。

 

続いて、株式会社ガイアドリーム取締役統括兼当財団理事の恩田健次氏より、「リスク対策」「見えてきた課題解決策」と題した講演を頂きました。

前半では、廃棄物管理に関するリスクの発見と対策検討に有効な手段として、法や条例で要求されている「処理状況確認」の確実な遂行を挙げ、処理状況確認を行う上でのポイントを整理したほか、確認すべき内容や実際の確認時のポイントなどを、実際の許可証や現場写真を基に事例を用いてご説明頂きました。

また、処理状況確認はリスクの確認と対策だけでなく、委託先である処理業者が排出事業者を理解し協力してくれるパートナーとしてふさわしいかを見極める良い機会でもあること、ケースに応じて外部の専門家なども上手に利用しながら有効で意味のある処理状況確認を行ってほしいというメッセージが発信されました。

DSC_0037後半では課題解決策として、まず廃棄物処理を専門業者に委託する「処理委託方式」では、委託先業者の管理がポイントとなることから、当財団が開発した「SEF-Net」が有効なツールであるとして、その機能が紹介されました。そしてもう一つの手段である「自己処理方式」について、次世代につなぐ資源循環モデルとして、いくつかの事例をご紹介頂きました。

 

最後は、環境問題や企業法務がご専門の佐藤泉弁護士にご登壇頂きました。

DSC_0013先生には、まず今春の転売事案を受けての教訓を纏めて頂きました。許可証の内容や当該業者の関連ホームページに、疑問が浮かぶ記述や表現が多くみられたことを例に挙げ、悪質な業者を見分けることは容易ではないが、委託先決定の際には常に疑問の目を持ち、細かな部分までの確認を怠らないことが重要と仰られました。

そして、今回の事案が与える今後への影響として、廃棄物処理業者、排出事業者双方への監視や規制の強化が考えられるとしながら、一方で資源循環を推進するための規制緩和も必要という中で、環境省が今後どのような再発防止策を打ち出すかを注視し、排出事業者責任を意識して対応する必要があると結ばれました。

 

約3時間のセミナーを終え、受講された皆様からは「内容の濃いセミナーだった」「もう少し時間が欲しかった」といったご感想を頂戴することができました。講師の皆様、ご参加の皆様、誠にありがとうございました。

来年度も、当財団では廃棄物管理におけるリスク対策の観点を踏まえつつ、その先の資源循環への取組みの促進に繋がるようなセミナー等を定期的に開催してまいります。

また、セミナーのような一方通行の勉強会ではなく、排出事業者が主体となってこれからの資源循環について考える「資源循環研究会(仮称)」の発足も検討しております。皆様とともに資源循環の未来図を描き、社会に提案して参ります。

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